前回はカムロボの遠隔操作に必要なものについての話をしました. 今回はRaspberry PiにROSをインストールしていきます.
スクラッチで作ろうとすると, UbuntuのインストールとROSのインストールの両方が必要になりますが,
ROSがインストール済みになっているRaspberryPi用のUbuntuのイメージファイルが公開されているので, 今回はありがたくこちらを使わせてもらいます.
まずは次のリンクから最新のイメージファイルをダウンロードしてください.
ここからUbuntuの起動まではRaspbianなどの他のOSのインストールと手順と同じものになります. まずは, SDカードフォーマッターなどを使ってSDカードをフォーマットしてください.
次に先ほどダウンロードしたイメージファイルをetcherを使ってSDカードに書き込みます. コマンドラインから行う方法もありますが, よほど慣れていない限りはetcherを使った方が簡単かつ安全です.
ここまででわからないことがあれば, ワンフットシーバスがインストールの方法について詳しく説明してくださっているので, こちらをご参照ください.

SDカードへの書き込みが終わったら, Raspberry Piにカードを入れて起動します.
初期設定では, ユーザー名前がubuntu, パスワードもubuntuになっています.
SSHを使用する場合は次のようにログインしてください.
ssh ubuntu@ubiquityrobot.local
本来このOSのイメージは製作者のubiquityroboticsさんが開発したmagniというロボット用のものです.
今回はこのmagniは使用しないので,このロボット用のサービスは切っておきます.ターミナルから次のコマンドを実行しておきましょう.
sudo systemctl disable magni-base
このOSのWifiの初期設定はアクセスポイント(AP)モードになっています. お家や研究室のWifiに繋ぐ場合はAPモードを切って設定を行う必要があります.
ただし, 外部でデモを行ったり, ウェアラブルデバイスや移動ロボットのようにWifiの接続先が頻繁に変わる場合にはAPモードのままで運用する方がWifi環境に依存しないシステムにすることができます. この場合はライブラリを更新したりする時だけ有線LANに繋いで使います.
今回の場合は特定の部屋の中でしか使わないなら, APモードを解除しても問題ありません.
家の外や, 部屋の移動を頻繁に行う場合はAPモードにしておきましょう.
なお, UbuntuのWifiの設定はGUIで行うことをお勧めします.Raspianのようにwpa_supplicantを編集して…とかやろうとするとかなり難しいです (networking serviceをいじらないといけないようです). (2019.9.23 追記)nmtuiというコマンドを使えば, CUIからもGUI風にネットワークの設定を変更できます.
次回はロボットの回路について説明していきます.
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