イントロ
前回はRaspberry PiにROS入りのOSをインストールしました.今回はモータを動かすための回路を作っていきます.タミヤのカムロボットはDCモータを使って左右の無限軌道を個々に動かしています.DCモータはタミヤのおもちゃでよく使われている乾電池で動くモータです.
Raspberry PiやArduinoでDCモータを制御するためにはモータドライバICという部品が必要になります.モータドライバICはRaspberryPi側の信号に応じてHブリッジ回路を使ってモータの回転方向とパワーをコントロールします.
今回は,Cytron Maker Drive (L298N)とTB6612の2つのモータドライバを紹介します. どちらを使用しても大丈夫ですが,Maker Driveが扱いやすく,TB6612の方がブレッドボードやユニバーサル基板に乗せるのに向いています.適切な方をお選びください.
L298N(Maker Driveに搭載されているドライバ)は1つのDCモーターを制御するのにPWM信号が2つ必要で,TB6612はDigital信号が2つとPWM信号が1つ必要になります.L298Nでは2つPWM信号, TB6612では2つのDigital信号の high/low によってモーターの回転方向を制御します. L298Nではhigh側のPWMのDuty比, TB6612ではPWM信号のDuty比でモータのパワーを調整します.これを表に表すと次のようになります.
- .tg{font-family:Menlo,Consolas, sans-serif;}
- モータドライバの入出力(l/L : Low Input/Output, h/H: HIGH Input/Output, Z: High Impedance, %DUTY: PWMのデューティー比)
IN1 | IN2 | OUT1 | OUT2 | モータの状態 |
---|---|---|---|---|
l | l | Z | Z | ストップ |
l | h | L | H | 逆転(%DUTY) |
h | l | H | L | 正転(%DUTY) |
h | h | H | H | ブレーキ |
Cytron Maker Drive
Maker Drive は Cytron が開発している入門用Hブリッジモータードライバです. デバック用のボタンとLEDを搭載しているので,配線のチェックや動作の確認が容易にできます. 配線は次のように行います.
Driver | Other Device |
---|---|
M1A (IN) | Raspi-17 |
M1B (IN) | Raspi-18 |
M2A (IN) | Raspi-27 |
M2B (IN) | Raspi-22 |
M1A (OUT) | RMotor-YELLOW |
M2A (OUT) | RMotor-BLUE |
M1B (OUT) | LMotor-BLUE |
M2B (OUT) | LMotor-YELLOW |
VM | Alkaline-V+ |
5V0 | Raspi-5V |
GND | Raspi-GND, Alkaline-V- |
TB6612
電気回路を次の図と表のように作っていきます.
TB6612 | Other Device |
---|---|
A_IN1 | Raspi-22 |
A_IN2 | Raspi-27 |
A_PWM | Raspi-17 |
B_IN1 | Raspi-13 |
B_IN2 | Raspi-19 |
B_PWM | Raspi-26 |
A01 | RMotor-YELLOW |
A02 | RMotor-BLUE |
B01 | LMotor-BLUE |
B02 | LMotor-YELLOW |
VM | Alkaline-V+ |
VCC | Raspi-3V3 |
STBY | Raspi-3V3 |
GND | Raspi-GND, Alkaline-V- |
実際に作る時にはRaspberry Pi用のユニバーサル基板かブレッドボードを使うことをお勧めします.
アイキャッチの写真では, Raspberry Pi用の基板に2×20のピンソケットを実装し, 両面テープでミニブレッドボードを貼り付けています.
- おまけ
switchscienceさんがモータードライバについて解説してくれています.
2020/03/11 に記事の内容を変更しました.
- Cytron Maker Drive (L298N)の追加
コメント