Rは統計処理に強い,数値解析用ソフトウェアです.大学でよく使われるMATLABと異なりフリーで提供されています.これまでMATLABを使っていた人でも関数の対応表が公開されており,移行もスムーズに行うことができます.
僕の場合は,大学内でしか使えないMATLABの不自由さが嫌になったのと,実験データの統計処理を楽にしたいこともあってRを使い始めました.ほどんどの機能には満足しているのですが,plotだけは使いにくい上に見づらいグラフを出力するので,厄介でした.解決策を調べてみたところ,ggplotというパッケージがRでグラフを描く際には一般的なようなので,使い方をまとめました.
以下のコードは2つのデータを線でプロットするだけものですが,このコードを少し改造するだけで,ラインプロットのほとんどをカバーできるはずです.描画される図は,このようになります.
初めのコメントアウトしてある部分は,パッケージのインストール用のコマンドです.はじめて,これらのパッケージを使用する場合は,コメントを外して実行しインストールしてください.
12–14行目はサンプルデータを作成しています.15,16行目は各データの入ったベクトルをR独自のデータフレームという構造体に格納しています.ggplotは基本的にデータフレームにアクセスして描画する関数のようです.18–28行目はすべて描画用の処理となります.細かい話は関数名で調べてもらえば,すぐに詳しい情報が出てきます.29行目が描画したデータを保存するコードです.LaTeX用の図を作る場合,pdfで出力するのが基本なのでそれに倣っています.ggsaveの引数にdpiがありますが,pdfで出力する場合にはこの値は無視されるようです(pngでは有効でした).僕の使っているMacのデフォルトのdpiは72なのでそれに合わせて,出力したいサイズを72で割っています(Windowsの場合はおそらく96です).
このコードはsource('sampleFig.R')
と打てば丸ごと実行されます(もちろんこのファイルを現在のディレクトリに移動させておいてください).
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