前回はガーバーデータからgコードを出力しました.今回はGコードを使って,実際に基板を作っていきます.
前提条件として,ModelaがGコード(NCコード)で動く必要があります.MDX-40の場合は内部のファームフェアをMDX-40Aのものにアップデートすることで,Gコードを読めるようになります.
初めに,捨て材をステージの上に固定します.固定方法は両面テープで十分です.詳しい方法は割愛しますが,捨て材をエンドミルを使って,上面を水平に加工してください.これを行わないと,基板のパターンが途中で途切れる可能性があります.水平面を出せたら,捨て材の上に生基板を固定してください.
MDX-40, 40Aの場合は V Panel からModela操作します.まず,Modelaを起動し,V Panelを立ち上げます.左下の「動作設定」を選択し,「コマンド体系」を「NCコード」に変更します(自動切替は僕の環境では動作しませんでした,Windows7 32bit, MDX-40).
初期設定だと,座標系はG54となっています.これはユーザーが定義する座標系の1つです.座標系はそのままで,X–Y–Zの原点を設定します.
ちなみに,G54の意味はこちらで紹介されています.
V Panel の下にある「加工」を選択し,出力ファイルリストから使用するGコード(NCコード)を選択してください.同じ工具を使うファイルのみを選択することをお勧めします.選択できたら,右下の「加工」ボタンを押すと,加工が始まります.なお,エンドミルの回転数はV Panel上で設定する必要があります.
パターンだけを彫った状態がこちらです.パターンの加工が終わったら,穴あけ加工するために工具を交換します.今回使用したのは,不二越のφ1,シャンク径φ3のドリルです.工具を交換した際は必ずz方向の原点を再設定してください.
穴あけ加工が終わった状態がこちらです.φ1以外の穴は後からピンバイスで空け直しています.数にもよりますが,少数の場合,工具を交換する手間が省けるため早く作れます.
最終的に部品を実装した基板がこちらです.村田製作所のSV-03 (ポテンショメータ), JSTのXHコネクタ,チップコンデンサを実装しています.
今回でModelaによる基板加工の記事は終了です.Modela以外でも,樹脂加工機ならば同様のことができると思います.自作の基板はユニバーサル基板に比べ,自由度が格段に大きいので,皆さんの趣味や研究に役立つはずです.
コメント