インジケーターは機械の状態がどうなっているのかを示してくれるランプのことです.電源を入れた時に光るLEDはその最たる例になります.充電がなくなってきたら赤で充電完了で緑に光ったりするデバイスなどもあります.
PCB(電子基板)を設計する時にも,基板がちゃんと動いているのか確認するためにインジケーターとしてLEDを乗せることになります.ところが,インジケーターとしてどんなLEDを乗せればいいのかという情報がありません.今回はどんなLEDがあってどう使い分けるべきなのかについて考えたいと思います.
単色
LEDには1色だけで光るものと,RGBの色を混ぜてカラフルに光るものがあります.はじめに単色のLEDについて話していきます.
砲丸型LED

LEDと聞いてこれを思い浮かべる人も多いと思います.大きさはØ5とØ3の物が主流で,色は赤,緑,青,白の物が多く流通しています.ユニバーサル基板やブレッドボードにも実装しやすいのが特徴です.足を折り曲げることで向きを変えることもできます.一方で表面実装の物と比べると非常に大きいので工業製品で使われることは少ないです.砲丸自体が大きいので,内部に抵抗を内蔵したものも販売されています.
表面実装LED
チップ抵抗やチップコンデンサを同じような形をしたLEDです.多くの電子機器のインジケーターとして採用されています.ArduinoやRaspberryPiのインジケーターもこのタイプです.米粒よりも小さいサイズでなので基板上のスペースを取らずに済みます.小さいのでハンダコテで実装するにはやや難易度が高いです.また,砲丸型のようなスルーホール実装の部品に比べると,基板に衝撃が加わった際に外れやすいという性質があります.
フルカラー
赤(R), 緑(G), 青(B) (+白(W))の複数LEDを内蔵したLEDです.各色の明るさを調整することで色調や明度をコントロールすることができます.
アノードコモン/カソードコモン LED

各LEDのアノード(陽極)あるいはカソード(陰極)を共通にして4本の端子(白がある場合は5本)が出たLEDです.各色の強度をPWMで制御して,色や明るさをコントロールします.各色のLEDを直接制御するため応答性に優れています.一方で各LEDごとに3本(白がある場合は4本)の信号線が必要になるためLEDストリップのような物を組むのには向いていません.
特にArduinoの場合はPWMを出力できる端子が限られているため,ピンのリソースを大きく割くことになります.
Neopixel

マイコンを内蔵したフルカラーLEDでWS2812Bというチップを使ったものが有名です.独自のシリアル通信で制御でき,Arduino, RaspberryPi, microbitなどに対してライブラリが公開されています.LEDを数珠つなぎにすることができ,LEDストリップに向いています.必要な端子は5V, SIGNAL, GNDの3本だけなので,ボードのピンのリソースを節約することができます.1本の信号線を使った独自のシリアル通信では,信号のタイミングが非常に重要でRaspberryPiのように複数の処理を同時に実行するようなデバイスには向きません(LEDの制御以外のことをすると信号のタイミングがずれることがあります).また,色の更新周期が比較的長いためPOVディスプレイには向きません.
DotStar

APA102Cというマイコンを内蔵したフルカラーLEDを使ったものです.こちらはSPI通信と呼ばれる一般的な通信方法を使っています.5V, SIGNAL, CLOCK, GNDの4本の線が必要になり,この点ではNeopixelに劣ります.一方で,信号のタイミングに対する制限がゆるくなるので,RaspberryPiなどのワンボードPCでも制御できます.また,色の更新周期も短いためPOVディスプレイにも使われています.国内での流通が少なく,入手しづらいです.
Adafruitがより詳しく比較してくれています.

また,APA102Cの互換品としてSK9822というものがあります.

配置を利用したもの
LEDの配置を利用したインジケーターも存在します.LED1つずつに信号線を割り振ると,マイコンのピンのリソースが大きく減ってしまうので,制御用のICを挟むのが一般的です.
LEDバー

LEDを1列に並べることで,エネルギー残量を表示するようなインジケーターとして利用できます.モジュールも販売されていますが,表面実装のLEDを並べた方がコンパクトにできます.
LEDマトリクス

LEDを格子状に並べたもので,電光掲示板などに利用されています.こちらもモジュールが販売されていますが,microbitのように表面実装のLEDを並べた方がコンパクトにできます.また,最近ではLCDやOLEDに押されているように感じます.
7セグメントディスプレイ

デジタル時計や時限爆弾でおなじみのものです.アルファベットも表示できるものとして16セグメントLEDもあります.
今回は,カムロボの目として搭載するLEDを調べている中で集まった方法をまとめてみました.他にもこんなインジケーターがあるよ!という場合はお声掛けください.
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