扇風機を分解してみた

Mechanical design

引っ越し準備で粗大ゴミを回避しようと,使っていない扇風機を分解してみました.色々と工作に役立ちそうな箇所があったのでそれらを伝えたいと思います.この記事は扇風機の分解の方法を解説するものではありません.

今回犠牲になったのは3年使った山善の扇風機と9年使った無印良品のサーキュレータです.
分解前の写真を撮り忘れてしまいましたが,リンク先にあるような古典的な形なので皆さんのイメージとの乖離はないと思います.

扇風機

ドライバーが必要ない分解をした後に,まず底板を外します.

右上にあるのが「切,弱,中,強」のスイッチで,真ん中の白いのがタイマーです.スイッチをテスターで調べると,弱(青)が押されている時に切(黒)–弱(青)間が短絡していました.中(赤),強(黄色)も同じように動作しました.

さらに分解するとこのようになります.上部の穴が「切,弱,中,強」スイッチが出ていたところです.下の白い部分が扇風機の背骨(?)に繋がっています.白いパーツの中にあるのが定荷重バネです(動画でも定荷重バネと言っていますが,ただのゼンマイバネかもしれません).このバネがファンのついた内側のロッドを押すことでファンが上に押し上げられます.

さらに分解すると,首の部分にはこのような金具が入っていました.金具の穴にピンが差し込まれることで扇風機の首の向きが固定されます.

サーキュレーター

まずは背面のカバーを外します. 外したことがない箇所なのでホコリがすごく溜まっています.捨てる予定なので容赦なくコードを切っていきます,

摘出したモータが上のやつです.ACモータと変圧器(?)が一体となったモジュールのようです.削りだしのパーツに収まっているようで結構な重さでした.

今度は側面のカバーを外していきます.関節はこういったカバーをつけるとメカっぽさが無くなっておしゃれになりますね.

さらに分解するとラッチ(latch)機構が出てきます.これによって扇風機と同じように首の角度を多段的に固定することができます.バネつきのピンが穴にハマることによって首の角度が固定されます.

ラッチ機構

今回一番話したかったのは首の角度を調整するラッチ機構です.これはロック機構の一種です.
抑えるピン(Pawl)が深さとバネの強さが適切でないと,関節が固すぎたり柔らかすぎたりします.自作する場合はこの調整が難航することが予想されます.
受動的な関節の固定機構はプラモデルやフィギュアのように摩擦を利用するものもあります.しかし,機械が大きく重くなるほど摩擦力よりも自重の方が大きくなり姿勢を維持しにくくなります.また,人が関節を曲げて調整する必要があるため,単に関節を硬くするだけだと調整しづらくなる問題があります.
ラッチ機構はピンを外す時の瞬間的な力だけで調整することができます(そして人は瞬間的に力を出すのが得意です).ただし.固定できる角度が不連続であり部品点数が多くなるといった短所もあります.

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